世界の環境ホットニュース(GEN) 343号 発行:別処珠樹 転載歓迎 04330

ダイオキシン社会を超えて(ダイオキシン問題小史 最終回)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 第16回(連載最終回) ダイオキシン社会を超えて     原田 和明

ダイオキシンを語るとき必ずといっていいほど用いられる「猛毒の」や「非意図
的に生成する」という接頭語が、実は枯葉剤メーカーによるキャンペーンの影響
であり、ゴミ焼却技術が中心のダイオキシン対策もその延長線上に企画された新
産業創造政策であったことを歴史的に振り返ってきました。

99
年のダイオキシン特別措置法成立以降、大型ゴミ焼却炉、溶融炉、ゴミ固形化
燃料(RDF)製造施設、スーパーゴミ発電など様々なダイオキシン対策技術を
謳った施設が全国各地に林立することとなりました。一方でリサイクル産業を集
積したエコタウンが各地で誕生し、90年以降の環境政策の中心をなす「ダイオキ
シンビジネス」(厚生省)と「リサイクル産業」(通産省)がそれぞれに船出し
ました。しかしながら私たちはこれらの政策によって「より安全な暮らし」を手
に入れることができたのでしょうか?

2003
年8月に起きたゴミ固形化燃料(RDF)工場(三重県多度町)の爆発事故
をはじめとして全国各地で大小様々な事故が頻発しており、通常運転についても
ハイテク焼却炉が多大な運転費用を必要とする装置であることもわかってきまし
た。

自治体は特措法の排出基準値と期限付き補助金の両面から、これらの施設を導入
するように誘導され、一方、住民側は年1度の測定では基準値遵守は保証されず
施設は受け入れられないと 反対しています。ダイオキシン 0.1 ナノグラムをめ
ぐる攻防はこれからも続けられることでしょう。

0.1
ナノグラムは国が定めた基準であり、だから基準を守れということなのでし
ょうが、守るべきは基準ではなく、私たちの暮らしでありましょう。そして「私
たちの暮らし」の中身も問われています。

ダイオキシンの問題はいかほど重大だったのかを改めて検討するために、その歴
史を振り返ってきましたが、ダイオキシンそのものが問題なのではなく、誰もが
ダイオキシンに現代の閉塞感打開を仮託した構造にこそ問題があったのではない
かと思えてきます。

環境中のダイオキシン濃度は大量消費、経済成長と歩調をあわせて高くなってき
たことは既にわかっています。大量消費、経済成長を続けながらダイオキシンを
抑制する、あるいはダイオキシンを新たな経済成長の足がかりにするという発想
自体が改めて問われているのではないかと思われます。

ならば、人間の意志によって大量消費、経済成長優先の価値観からの脱却を図ら
ねばなりません。ダイオキシン問題は地球温暖化などとともに、「成長の限界」
を人々が受け入れられるかどうかの試金石でありましょう。

大量に資源を浪費し続ける社会や、永遠の経済成長などありえない。いつかどこ
かで方向転換が必要だ。多くの人がそう気付きながら問題を先送りしてきました。
ダイオキシン問題は永遠の経済成長という矛盾がひとつの形となったものである
にも関わらず、原因と結果を取り違えダイオキシンを潰せば矛盾までも解消され
ると誤解してしまった、いや期待してしまったことが問題だったと思われます。

その意味で、大量消費を前提としたダイオキシン対策技術は、ダイオキシン排出
量を低減することができたとしても、新たな問題を引き起こすことになるでしょ
う。

いずれ「拡大生産者責任」の思想が日本にも定着するようにしなければなりませ
ん。そのために人々は関心をもって行動することが求められるでしょう。そして
現行経済社会の内部改革は達成されるでしょう。しかし、経済成長優先の価値観
は温存されます。矛盾は、改善されても解消されるのでしょうか? さらにその
先はどうなるのでしょうか?

世界では反グローバリズムを掲げた様々な取り組みが試みられています。私は、
この運動の中に経済優先の価値観を転換し、ダイオキシン問題の解決につながる
萌芽をみています。日本では静かなる運動ながら「地産地消」「身土不二」「ス
ローフード」「スローライフ」「グリーンツーリズム」など、地域見直し運動が
展開されています。幸いにも若者を中心に長期的な経済低迷により高度成長型の
平均的人生モデルを踏襲できない人たちが増えています。これからは、必ずしも
経済第一優先ではない「安心立命」を基調とした個々人のライフスライル重視へ
の転換が進むことでしょう。その結果としてダイオキシン抑制も達成されること
になると期待しています。そのためにもダイオキシン騒動の教訓を今後に生かし
ていくことが必要だと思います。

これをもちまして「ダイオキシン問題小史」の連載を終了いたします。これまで
お読みいただきありがとうございました。(はらだ・かずあき)

------------------------------------------------------------------------
 
読者から                          た..さん
------------------------------------------------------------------------

私は企業の廃棄物担当者です。
先日、PCB処理に関する説明会に参加する機会がありましたので、その情報を
少々お知らせします。

そこでの話によると、電力会社などの大量にPCB保有し自社処理を行う事業者
以外の事業者(大企業、中小企業)は、全て環境事業団で処理を行うとのことで
す。法律に基づいて行われた届け出量から処理量を割り出し、設備投資を行い、
それを受入量で割り処理コストを決めるとのことです。そのため、中小企業への
補助としての税金投入はあるかもしれませんが、基本的には高額な処理費(重さ
100kg
の高圧コンデンサで約100万円)でまかなわれると言う話でした。計画では
2016
年までに国内の全てのPCBを処理することになっています。

------------------------------------------------------------------------
ご投稿は本文40行以内でお願いします。長ければカットすることがあります。
 実名掲載ご希望の場合は、その旨お書き添えください。匿名のご投稿はお受け
 できません。ご意見を投稿として扱う場合もありますので、ご了承ください。
 HP→ http://www.kcn.ne.jp/~gauss/ ご意見・ご投稿qigong0@infoseek.jp
------------------------------------------------------------------------
企業・NPOなどの広告を受け付けます。NPOの広告は無料です。
 お申し込みの条件などは →  http://www.kcn.ne.jp/~gauss/a/donation.html
------------------------------------------------------------------------
登録・解除は次のところから                          現在、約3600通発行
 まぐまぐ    http://www.kcn.ne.jp/~gauss/a/mag2.html   
 カプライト   http://kapu.biglobe.ne.jp/c/0/7/1.html    
 Melma!     http://www.melma.com/mag/15/m00090715/    
------------------------------------------------------------------------

-
【まぐまぐア・ラ・モードニュース】-------------------------------------
 毎週当たる!その場で結果発表!全国共通百貨店商品券3000円分!
         http://cgi.mag2.com/cgi-bin/w/mag?id=728_040330
------------------------------------------------------------------------

_@_______________________________________________________________-PR-___
■■■■■■
「自分から学習」のKUMON・先生を募集中!!■■■■■■
公文式の先生の仕事は、教室にやってくる子どもたちを「見守ること」「ほめ
ること」「励ますこと」。子どもが好きという方なら、未経験者でも大丈夫。
■■■■■■25
45歳の女性のご応募をお待ちしています。■■■■■■■■
http://dt.magclick.com/.C/HLT0T7QcRy2AuW6mRnug2bJ%2BtN6yiSim
________________________________________________________________________

2004330

125千人の飲み水と環境を守る会

 




100MB無料ホームページ可愛いサーバロリポップClick Here!